大きな被害をもたらした令和2年7月豪雨を受け、熊本県では自然環境との共生を図りながら、流域全体の総合力で安全・安心を実現する「緑の流域治水」を推進しています。2021年度から熊本県立大学が中心となって、研究プロジェクトが進められています。
MS&ADグループは、本研究プロジェクトと連携し、流域治水に貢献する湿地の保全・再生を中心に、地域の社会課題解決に取り組みます。
球磨川流域の上流部に位置する湿地(放棄田、周辺の迫など)および周辺地
当社グループの社員とその家族等によるボランティア活動や資金支援を通じて、主に以下のテーマに取り組みます。これらの効果については、定量的なモニタリング調査を実施して、湿地再生・保全の手法の有効性を検証します。
- 放棄された田や迫*などの湿地環境の保全・再生による生物多様性の回復
- 田んぼや迫の雨水貯留効果の向上による流域の洪水緩和
- 保全・再生する湿地のOECM**登録の検討を通じ、多様なパートナーシップによる自然環境の継続した保全を担保する仕組み・体制づくりの構築
*迫:山あいの小さな谷
**OECM:(Other Effective area-based Conservation Measures)国の保護地域以外に企業や民間の組織が保有する林や緑地を保全地域として登録する制度
2022年11月19日、相良村の瀬戸堤自然生態園で、湿地保全活動の第1回目が行われました。同園は、かつて水田として利用され、耕作放棄後に、湿地となった場所です。グループ社員含む約50人が、鍬を使った耕うん作業や草の除去などに汗を流し、生物が住みやすい環境に整備しました。
当社グループは、以前から、気候変動をはじめとした社会課題の解決に貢献しようと、積極的にサステナビリティに取り組んできました。
熊本県での活動は、産官学が連携する取組みで、地方創生にも寄与できると期待しています。2・3年後にどんな生態系になっているのか大変楽しみです。
令和2年の7月豪雨により球磨川やその支流で氾濫が生じ、人吉も甚大な被害が発生しました。現在では、この経験や教訓を活かし、少しずつですが、復興に向かっています。
自然を活かしながら、防災・減災ができるというところが、非常にありがたいと思っています。
都心にいると自然と触れ合う機会が少ないので、生き物好きな息子と2人で来られてよかったです。
生き物に囲まれてのどろんこ作業は、人間と生き物両方の暮らしにとってよいことであること、生物多様性を守るために自分たちは何ができるのかについて、親子で話すよいきっかけとなりました。