MS&ADインシュアランスグループは、「グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支える」ことを経営理念(ミッション)としています。目指す社会の実現に向けて、それを阻む社会的課題に向き合い、そこから生じる多様なリスクをいち早く見つけ、リスクの発現を防ぎ、リスクの影響を小さくする。加えて、リスクが現実となったときの経済的負担を小さくするための商品・サービスを通じて、お客さまが安心して生活や事業活動を行うことができる環境づくりをサポートする、これが私たちの価値創造ストーリーです。

 

当社グループは、中期経営計画「Vision2021」において2030年に目指す社会として「レジリエントでサステナブルな社会」を掲げ、その実現に向け、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を考慮した事業活動を展開するとともに、社会との共通価値の創造(CSV:Creating Shared Value)に取り組んでいます。特に「気候変動への対応」「自然資本の持続可能性向上」「人権の尊重」の3つを優先課題として位置付け、重点的に取組みを進めています。

 

「気候変動への対応」として、水害予防に有効なWebサービス提供や、大学と協働で台風等の被害予測を行う新しい技術の開発、ベンチャー企業と提携した気候変動影響の分析サービスの提供などを行っています。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の最終提言に沿った、一貫性、比較可能性、信頼性のある気候関連の情報開示にも取り組んでいます。

「自然資本の持続可能性向上」として、森林等の地域の自然を活用した防災・減災の取組みや自然資本の持続可能性向上をテーマとしたシンポジウムの開催など、健やかな地球の未来を守る取組みを進めています。

「人権の尊重」に関しては、「MS&ADグループ人権基本方針」に基づき、人権を尊重する事業活動を進めるため、バリューチェーン全体における人権リスクについて定期的な状況の確認を行うとともに、社員の啓発を行っています。

また、社員がいきいきと活躍できるよう、女性管理職や男性育児休業取得の増加など、ダイバーシティ&インクルージョンの取組みを進めるとともに、デジタル技術に関する研修の充実等、変化する環境に柔軟に対応できる人財の育成を行っています。

 

今般、新型コロナウイルスの感染拡大により全世界で多くの人命が失われ、人々の生活様式や価値観は一変しました。社会構造が大きく変わる中、当社グループは、お客さまの生活や社会の安定を支える社会的インフラである保険・金融事業者として、しっかりと役割を果たしていくことが極めて重要だと認識しています。当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、デジタル技術を活用した保険手続きの簡素化やWebによる対応の強化等非対面で行える業務領域を拡大するとともに、テレワークの拡大により懸念されるサイバーリスクに対応する商品の提供、感染症BCP作成支援ツールの提供等を行っています。

 

現代社会において、リスクの巨大化・複雑化や新たなリスクの出現等、事業環境は常に変化しています。このような時代の中、社会的課題の解決に必要なことは、多様なパートナーとの協働です。困難な課題に対してもお互いに知恵を出し合うことで解決の糸口を見つけることが可能になります。「価値創造ストーリー」を土台としたCSV取組が、地域から全国へ、日本から海外へ、グループ各社からグループ全体へ、さらには同じ課題を共有するパートナー企業との連携へと広がることで、「レジリエントでサステナブルな社会」の実現につながると考えています。

MS&ADインシュアランス グループは、2020年度に10周年を迎えました。これからも、強みである多様性と総合力を発揮し、ステークホルダーの皆さまとともにより良い社会の創造へと取り組んでいきます。

2020年9月

原典之<br/>

 

取締役社長 グループCEO