MS&ADインシュアランス グループは、「グローバルな保険・金融サービスを通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支える」ことを経営理念(ミッション)としています。社会的課題から生じる多様なリスクをいち早く見つけてお伝えし、リスクの発現を防ぐ・影響を小さくする方法をご提案し、万が一の場合には経済的な負担を小さくする商品・サービスを提供する、これがわれわれの価値創造ストーリーです。

2018年度にスタートした中期経営計画「Vision 2021」では、2030年に目指す社会像として「レジリエントでサステナブルな社会」を掲げ、当社グループが解決に貢献する社会的課題として「多様化・甚大化する事故や災害」、「限界に近づく地球環境」、「高齢化に伴う介護・医療関連の負担増」、「格差拡大等による社会の活力低下」を挙げました。これらの課題について、SDGsを道しるべとして、価値創造ストーリーの実践を通じ、社会との共通価値を創造する(CSV)取り組みを進めています。台風・ハリケーン、集中豪雨等の自然災害による被害に備える対策や被害発生時の迅速な復旧・復興の支援、AIの進歩やIoTの進展により多様化するサイバーリスクへの対応策の提供、超高齢社会における活力溢れる健康づくりのための情報収集と発信などに注力しました。

 

「Vision 2021」では、「世界トップ水準の保険・金融グループ」の実現、それを支える「環境変化に迅速に対応できるレジリエントな態勢」の構築を当社グループが中長期的に目指す姿として描いています。2年目にあたる2019年度も、「レジリエントでサステナブルな社会」の実現に向けて社会との共通価値の創造(CSV)をさらに進めていきます。2019年6月、この活動に込める当社グループの思いと目指す姿を具体化するため、「サステナビリティ課題への取り組み」を表明しました。持続可能な社会の実現に向けて、グループのあらゆる事業活動において、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)などのサステナビリティに配慮していくことを宣言しています。

近年、気候変動による自然災害の多発化や激甚化が顕著に現れてきており、世界的に危機感が高まっています。このままCO2排出が続けば気温上昇はますます加速し、100年に一度と言われるような大規模な洪水の頻発や、大型台風発生確率の上昇という予測も出ています。災害に密接にかかわる保険事業者として、このようなリスクを見つけ、低減・予防し、社会全体のレジリエンスを高めることは社会的使命です。健やかな地球環境を次世代に受け継ぐために、気候変動の緩和への取り組みを進めるとともに、大学や自治体等多くのパートナーと共同で、未曽有の災害に備えるための新しい技術の開発を行うなど、気候変動への適応を積極的に支援していきます。

また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の最終提言に沿った開示を行うため、UNEP FI(国連環境計画・金融イニシアティブ)の保険パイロットプロジェクトに参加するなど、一貫性、比較可能性、信頼性のある気候関連の情報開示を進めています。

なお、これらの取り組みのベースとして、人権を尊重する企業風土の醸成が不可欠であると考えています。当社は、2004年6月に国連グローバル・コンパクトに署名し、世界人権宣言を支持して以降、バリューチェーンも含めた事業活動が人権に及ぼす影響に責任があることを認識し、「MS&ADインシュアランス グループ 人権基本方針」にもとづき人権を尊重した活動と対話を実践しています。

一方、当社の取り組みは社員一人ひとりの力に支えられており、レジリエントでサステナブルな社会の実現に向け、人財の育成が重要と考えています。その取り組みの1つとして、2018年8月に、国内外も含めグループ全体で参加する「サステナビリティコンテスト2018」を初めて開催しました。本コンテストを通じて社員のサステナビリティへの理解や意識が高まり、新たなビジネスモデルの創出と、取り組みの横展開という好循環が始まっています。

 

MS&ADインシュアランス グループはこれからも、SDGsを道しるべに「価値創造ストーリー」の実践を通じて、社会との共通価値の創造にむけたCSV取組を一層進展させ、2030年「レジリエントでサステナブルな社会」の実現へと着実に歩みを進めていきます。

2019年9月

柄澤康喜

 

取締役社長 グループCEO