国内では少子高齢化が進展し、総人口は減少傾向にあります。そして、「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)によると、2065年には総人口が9,200万人を下回り、65歳以上の人口が総人口に占める割合である高齢化率は約38%となることが推計されています。高齢者人口の増加に伴い、高齢者が安心して暮らせる環境が求められています。移動しやすい都市構造、健康や予防医療に関する情報へのアクセス、加齢とともに低下する身体機能や介護に配慮した居住環境が必要であり、また同時に、人口減少の緩和に向け、妊産婦や子ども、子ども連れの人が安全に、かつ安心して暮らせる環境であることも重要となっています。
MS&ADインシュアランス グループは、超高齢社会を支える事業活動の発展を支援し、「お客さまのWell-beingを支える商品・サービス」の提供を進めていきます。

企業の健康経営、人的資本経営の支援

MS&ADインシュアランス グループは、今後も全ての社員がいきいきと働くことのできる環境整備を進めるとともに、個人のお客さまの健康増進の支援及び企業の健康経営の普及活動にも取り組んでいきます。社員が健康であることは、社員自身のQOL(Quality of Life:生活の質)の向上のみならず、当社グループの経営理念の実現に欠かせない要素と考え、「健康経営」の実践を中期経営計画に明記し、社員一人ひとりの心身の健康を保持増進するため健康や安全に配慮した職場環境づくりを進めています。

<取組例>

中堅・中小企業の人的資本経営を後押し

2024年6月から人的資本経営に取り組む企業を対象に、業務災害補償保険の保険料割引制度を開始
リスクに応じた保険料での補償提供に加え、人的資本経営関連コンサルティングサービスを提供することで、中堅・中小企業に対して、健全な経営環境の構築を後押し

人的資本経営に取り組む企業向けに保険料割引制度を導入(MS・AD)

健康増進・病気予防のために

生涯現役を実現するための健康づくりを支援するサービスを提供しています。また、大学と提携し、健康増進に関する調査研究を行っています。

<取組例>

MSAケア

2022年10月からお客さまの健康をトータルでサポートすることをめざすヘルスケアサービスブランド「MSAケア」を展開
「病気の予防・早期発見」「重症化・再発予防」「健康に関するご相談」など、病気になったときに生命保険で保障することに加え、病気になる前、病気になった後のサポートまでを“ひとつながり”でお届け

 

「MSAケアWebサービス」をリリース 〜新たなヘルスケアサービスも導入します(MSA)

 

(サービス例)

 重症化・再発防止Z4C(zen place for cancer)

 撮るだけ健康チェック

 とるだけ血糖アドバイス

 eコグニケア

 生活習慣改善支援プログラムLITE(ライト)

 

認知症の早期発見により社会課題を解決

認知症の早期発見のため、米国FDAの医療機器承認技術を応用した、スマートフォンアプリによる認知機能の測定実験を開始
視覚的なテスト、睡眠や運動量等の生活習慣から、健康度合いをAIが点数化し、認知機能の状態を自身で把握可能に

 

米国FDAの医療機器承認技術を応用したAI認知機能測定(MSA・MSP)

ココロとカラダの健康づくりを

支援

心や体に関する悩みをサポートするヘルスケアアプリである「HELPO」を提供
従業員の健康支援ソリューションの提供から、中小企業の経営を支援することで、従業員の生産性向上、人材の定着化を実現

ヘルスケアアプリ「HELPO」(MS)

東京大学COIと提携した健康増進

当社グループでは、2018年度より東京大学センター・オブ・イノベーション(東大COI)自分で守る健康社会拠点と提携し、「持続可能な健康長寿社会」の実現に向けた取組みを開始
2021年4月より、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保で、AIによる健康リスク予測モデルを搭載した健康管理アプリとコンサルティングサービスを組み合わせた健康経営支援保険を販売
2019年9月より、音声により認知症・MCI(認知症の前段階である軽度認知障害)の予兆を発見しつつ、認知症予防策を提供するサービスの開発に向けた共同研究を開始

 

録るだけ認知機能チェック(MSA)

超高齢社会を支えるさまざまな事業の発展のために

介護事業や医療等に係るさまざまな課題に対する解決策やサポートの提供を通じ、超高齢社会を支える事業の発展に貢献しています。また、超高齢社会は働き手がこれまでよりも少なくなることを意味します。働く人を支える仕組みの重要性もより増しており、分野を限らない健康経営支援や家庭と仕事の両立支援等も積極的に行っています。

<医療・介護等のリスクを解決する取組例>

福祉・介護事業者向けサービス

福祉・介護事業者を取り巻くさまざまなリスク(賠償責任リスク、情報漏えいリスク、財物損害リスクなど)に対する補償と事故再発防止のためのコンサルティング費用を補償する商品や、介護施設・事業所に義務付けられたBCP計画策定や虐待防止研修を支援

 

医療・介護・障害福祉等(インターリスク)

虐待防止研修支援(インターリスク)

AIやICTを活用した介護従事者の負担・離職率低減

ケアテック(Care(介護・福祉医療)とTechnology(技術)からなる造語)を展開するスタートアップ企業と資本・業務提携し、介護福祉領域の課題解決とイノベーションを指向

 

AIやICTを活用した介護福祉プラットフォームを提供する「ウェルモ」との資本・業務提携(AD)

健康経営の普及促進と
コンサルティング

健康経営の普及促進のため、セミナーの開催やコンサルティングサービスを提供
経済産業省「健康経営優良法人認定制度」の申請サポートや制度と連動したインセンティブ措置を講じることで健康経営の更なる普及と質の向上を支援

 

健康経営の推進について(P127)(経済産業省)

健康経営コンサルティングメニュー(インターリスク)

企業向け
仕事と家庭の両立支援サービス

企業の人事部門向けに、仕事と家庭(育児、介護、治療など)の両立やワークライフバランスの実践に関する支援を提供

 

両立支援(介護/治療)(インターリスク)

企業向け
健康増進取組をサポート

「健康経営支援保険」

 

東大COIと開発した健康管理アプリ「Myからだ予想」による従業員の健康リスクの見える化・病気予防のツールと、ケガや病気により働けなくなった従業員の所得補償、健康経営支援サービスの3つの機能が一体となった保険パッケージ
従業員がアプリを活用することで、管理者はデータによる健康管理が可能
アプリ活用による従業員の健康増進取組に応じた保険料割引を導入しており、アプリ利用により従業員の健康増進・疾病予防に役立ち、またアプリの利用状況によって企業負担保険料を割引

 

健康経営支援保険の発売について(MS・AD・インターリスク)

健康経営コンサルティングメニュー(インターリスク)

コンタクトセンター向け「メンタルヘルス支援サービス」

 

一般的に業務上の多くのストレスのため離職率が高いといわれているコールセンター向けのサービス
代理店のコールセンタースタッフのコンディションをタイムリーに把握、早期の職場環境等を改善

 

コンタクトセンター向け「メンタルヘルス支援サービス」(AD)

<お客さまを理解した提案をサポートするための取組例>

金融機関・金融機関代理店向け
研修の提供

加齢に伴う身体機能や認知機能の変化が経済・金融行動にどのような影響を与えるかを研究する金融ジェロントロジーの学問的知見を踏まえ、高齢のお客さま一人ひとりに合わせた適切な対応スキルを学ぶ研修を開発・提供

金融ジェロントロジー研修を開発(MSP)

 

超長寿人生における代理店募集人のコンサルティング力向上を目的とした「わたしの100年人生 研修」を開発・提供
募集人が未体験の100年人生をリアルに体感することで、さまざまな保険ニーズにお応えする提案力の向上を支援

「わたしの100年人生 研修」を開発(MSP)

 

スマートフォン完結型の資産形成・運用型生命保険商品『AHARA(アハラ)』

日本初のスマートフォン完結型の変額年金保険『AHARA(アハラ)』を開発
全ての手続きがスマートフォンで完結し、保険料は最低500円からお申込み・ご加入でき、定期的又は任意のタイミングで、追加積立てが可能
「資産形成を気軽に始めたい」というお客さまニーズに応える積立型の資産形成商品として2023年5月から販売開始

 

生命保険商品AHARA(アハラ)(MSP)

健康・長寿社会を支える商品・サービスの提供

「充実したセカンドライフ」「安心して暮らせる安全な社会」をめざし、お客さまのニーズに合わせた資産形成手段や介護、認知症に関する商品・サービスを提供しています。

<主な商品・サービス>

通貨選択型特別終身保険
「やさしさ、つなぐ2」等

生存給付金の受取人を家族とすることで、次世代への円滑な資産承継に向けた生前贈与・相続のニーズに応える終身保険
2024年6月、累計販売額が3兆円を突破

 

通貨選択型特別終身保険『やさしさ、つなぐ2』に新たな機能を追加(MSP)

通貨選択型特別終身保険(『やさしさ、つなぐ2』等)の 累計販売額が3兆円を突破(MSP)

がんへの備え

がん検診の普及と啓発、早期発見のため、HIROTSUバイオサイエンスと資本提携し、簡便・安価・高精度ながんの一次スクリーニング検査N-NOSE®を優待価格でご案内
また一時金を充実させ、がんを対象とする全ての保障を早期のがんからカバーする「&LIFE ガン保険Sセレクト」を2022年から販売

 

&LIFE ガン保険 S スマート セレクト(MSA)

N-NOSE®(MSA)

高齢社会に対応した補償の提供

賃貸住宅内での高齢者の孤独死によって発生する損害、認知症患者増加に伴い増加する「財物損壊を伴わない、電車の運行不能等による賠償責任」、高齢者が行方不明となった際の捜索費用、災害発生前の避難等の早期対策を促すための親族等との安否情報共有など、高齢社会により発生しているさまざまな新しい課題に対して特約やサービスを提供

介護・認知症への備え

お客さまの健康をトータルでサポートすることをめざすヘルスケアサービス「MSAケア」に介護・認知症と親和性の高い新たなサービスを導入。健康維持・病気の予防や早期発見から健康に関する相談、重症化・再発予防など、保障と保障前後のサービスを「一体」で提供

 

新商品「&LIFE 介護保険C(ケア)セレクト」発売および「MSAケア」の新サービス導入~保障と保障前後のサービスを「一体」で提供~(MSA)

MCIスクリーニング検査プラス(MSA)

介護すこやかデスク(MSA)

介護施設紹介サービス(MSA)

配食サービス

在宅高齢者支援に向けたBPSD発症予測サービスの開発を開始

NECの持つセンサー・AI技術に、三井住友海上と三井住友海上あいおい生命の保険商品や「AIとIoTにより認知症高齢者問題を多面的に解決する東京アプローチの確立」の成果を組み合わせることにより、在宅認知症高齢者のQOL(Quality of Life)の向上とご家族・介護スタッフの負担軽減を実現するサービスの社会実装をめざす

BPSD発症予測サービスの開発を開始(MS・MSA生命)

 

 

金融包摂への対応

MS&ADインシュアランス グループは、金融機関へのアクセスや金融取引が困難な状況にある方々に対し、商品の開発・提供を通じて、保険商品・金融サービスへのアクセスを改善し、お客さまの状況に応じたきめ細かな対応に取り組み、苦情を防止し、お客さまが便益を享受できるよう努めます。また、金融・保険教育等にも取り組むことで、困難な状況にある方々やそのご家族等の皆さまを支援し、生活水準の向上に貢献します。

<取組例>

フィリピン 零細企業家向け小口ローンへの保険の提供

零細企業家向け小口ローンの提供を行うBPI Direct BanKoと連携し、ローンに付帯したマイクロインシュアランスの提供を2019年秋より開始
事故や災害といった不測の事態にも保険で零細企業家の経営を支援
2023年度販売件数 180,240件
プレミアム総額 約10,800,000 PHP(フィリピンペソ)

マレーシア 先住民向け 住宅専用火災保険の提供

社会的企業EPIC Homesが取り組む、先住民の居住環境改善を目的とした支援スキームに関わる補償をパッケージ化
住宅に補償を備えることで、居住する先住民に安心を提供するとともに、支援スキームドナーの参画を後押し
2023年度当社保険を提供する先住民向けの住宅の棟数(累計) 111棟
先住民向け住宅の火災保険料(累計) 18,223MYR(マレーシアリンギット)

 

プレスリリース(MSIG Malaysia)

インドでの保険普及と雇用創出

中小都市・町村部に保険証券の発券機を設置した小型の店舗を展開。保険へのアクセスが不便だった地域での保険の普及に貢献
また、農村地域の雇用創出に取り組んでいる団体へ保険証券発行事務の委託を行い、農業以外に雇用機会の少ない農村地域の雇用創出にも貢献
2023年度店舗数(累計)315店

 

Cholamandalam MS General Insurance オフィシャルWebサイト

インドでのマイクロ保険の普及

財物損害を被った場合の生活復旧を支援するために、マイクロローンの借り手に家財保険を提供
保険へのアクセスが不十分な低所得・貧困層への保険の普及、マイクロローンの借り手である女性の社会進出に貢献
2023年度 保険契約件数366,754件
住宅の火災保険料 121,028,820 INR(インドルピー)

高校生向け金融リテラシー講座(損害保険編)の提供

2022年4月の民法改正で成年年齢が18歳に引き下げとなったことを受け、高校生向けの「金融リテラシー講座(損害保険編)」を作成し、出張授業を実施
金融リテラシー教育を通じ、自立的で安心かつ豊かな社会の実現に貢献

学校数48校(東京、神奈川、長野、鹿児島、福岡)/授業数16コマ/参加生徒数約1,000人

近隣学校への特別講座、社会貢献体験会の提供

子どもの社会参加促進と自立支援を目的とし、近隣学校への特別講座や社会体験機会を提供

また、通信制高校サポート校のキャリア教育プログラムの一環として、保険に関する講座を実施

参加生徒数 約110人

「認知症サポーター」の養成

社員の認知症サポーター養成講座の受講をグループ共同で推進し、MSA生命では、自治体と見守り活動の協定締結や登録を行い、地域の見守り活動に参画
認知症に対する社員の知識向上と理解促進により、多様なお客さまを意識した品質向上取組を展開

2023年度 MS&ADグループ 認知症サポーター養成実績(含キャラバンメイト)累計 11,608名

<顧客本位の業務運営>

金融庁が公表している「顧客本位の業務運営に関する原則」に従い、高齢者及び障がい者に対する保険募集に係るマニュアルを作成することで、適切なお客さま対応を推進し、お客さまにご回答いただいたアンケートデータの分析、代理店との対話などにより業務改善を図っています。また、社内外向けに認知症に係る研修を実施しており、認知症に対する理解を深める取組みを通じて多様なお客さまを意識した品質向上に活かしています。このほか、社外の有識者との意見交換や外部専門家によるお客さま向けツール等の評価を通じ、お客さまの観点の業務への取り込みを試行しています。 このようなお客さま第一の業務運営の推進、品質向上の諸課題については、品質向上・コンプライアンス委員会で議論しています。