2018年度よりスタートした中期経営計画「Vision 2021」では、「価値創造ストーリー」を支える仕組みとして、社員がいきいきと活躍できる経営基盤の構築を掲げました。MS&ADインシュアランス グループの総合力・競争力の源泉は人財です。多様な人財がグローバルに活躍することで、社会的課題の解決に導くイノベーションの創出とミッションの実現に向けたグループの持続的成長につながります。一人ひとりが自分の個性を活かし、プロフェッショナルの意識を持って、やりがいのある仕事を安心して続けることができる環境をつくり上げるために、さまざまな取組みを進めています。
※人財:MS&ADインシュアランス グループでは、一人ひとりを大切にするという
想いをこめて、「人材」ではなく「人財」と表記しています。

ダイバーシティ&インクルージョン

さまざまな背景や個性・価値観を持った全ての社員が、その能力を最大限に発揮し、いきいきと活躍できる環境を整えるため、当社とグループ国内保険会社が一体となった推進体制のもと、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進を一層強化しています。

意思決定層の多様性を確保するため、継続的に女性役員を輩出する仕組みをつくります

執行役員<br/>ダイバーシティ&インクルージョン担当<br/>本島 なおみ
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執行役員
ダイバーシティ&インクルージョン担当
本島 なおみ

2018年度からグループ全体でD&Iを進める体制を整え、組織的な取組みを行ってきました。少しずつではありますが、着実に成果が出てきています。現在、意思決定層の一定割合が女性であることを最優先課題として取り組んでいます。まず、目標を明確にすることが大切です。女性管理職比率(2020年度中に15%以上)だけではなく、取締役会メンバー(取締役及び監査役)についても、持株会社は2025年度までに30%以上、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保でも、2030年度までに10%以上とします。これらの目標を達成するためには、女性役員候補を継続的に育成するための“パイプライン”づくりが欠かせません。グループ各社の女性部長約50名で構成する「女性部長の会」を発足させ、他社女性部長との共同研修でアンコンシャス・バイアスの克服について学ぶなどの活動を行っています。また、一部メンバーは関連事業会社の非常勤取締役として登用され、経営レベルの意思決定の経験を積んでいます。今後は、若手社員とのコミュニケーションを強化し、若い世代の価値観を経営に活かしたいと考えています。また、男性社員が一定期間の育児休暇を取得する取組み等を通じ、一人ひとりの社員が柔軟で幅広い価値観を持てるような取組みにもチャレンジします。


女性管理職

女性管理職比率目標を2020年度15%(グループ国内)に設定し、管理職を担うためのスキルアップやキャリアアップ意識の醸成を図る研修等を継続的に実施した結果、女性管理職(課長以上)は944名、女性管理職比率は14.8%(2020年4月1日現在)となり、毎年着実に増加しています。

女性役員

2019年5月に女性役員の輩出に向けた世界的なキャンペーンである「30% Club Japan」に、グループCEOが加入しました。当社グループはジェンダーダイバーシティが企業の対応すべき喫緊のビジネス課題であり、意思決定層の多様性が重要であると考え、グループの女性役員の育成に向けて、取組みを進めています。

多様な力の発揮に向け、グループ横断の取組みを強化

グループ横断の「女性部長の会」は、女性管理職の学びと交流の場となっています。カリキュラムの一つであった他社女性部長との合同研修では、アンコンシャス・バイアスを認識し、自らコントロールしていくことの重要性や業務への活かし方を学び、多くの気づきがありました。研修時に同じグループとなったメンバーとは、人財育成や組織の活性化などについてアドバイスしあい、今も会社を超えた交流を続けています。女性管理職同士のネットワークは心強い味方であり、サポートしあいながら互いにレベルアップしていきたいと思います。
昨年10月には関連事業会社のMS&AD事務サービスの非常勤取締役に就任しました。取締役会や各種委員会などへの参画を通じ、会社経営の意思決定やグループの連携等について学んでいます。責任ある職務を担うことに不安もありましたが、その立場に立って初めて見えてくるものがあると気づきました。私たち女性管理職の取組みが、「女性部長の会」等を通じて、点から線へ、そして面へと拡がっていくことで、より多様な力の発揮につながっていくのではないかと感じています。これらの貴重な経験を糧に更にチャレンジし、成長につなげたいと思います。

役員・管理職の意識改革

グループの役員を対象に、アンコンシャス・バイアスへの理解を深めることを目的に、D&I役員研修を開催しました。管理職に対しては、アンコンシャス・バイアスに「気づいて」「コントロールする」手法を学ぶマネジメント研修やe-Learningを実施し、意識改革に取り組んでいます。その実効性を高めるため、役員と管理職の評価には、D&Iの評価項目を組み込んでいます。

障がい者の雇用

2018年6月に、障がい者の雇用と活躍を促進するための子会社「MS&ADアビリティワークス株式会社」を設立しました。個性豊かな社員の個々の能力を活かした業務を開発し、働きがいのある職場をめざしています。また、グループ各社ではパラアスリート(障がい者スポーツ選手)の採用を進め、競技活動の支援も行っています。

2019年度グループ国内障がい者雇用率・雇用人数※

障がい者雇用率

障がい者雇用人数

2.43%✓

727人✓

※グループ国内保険会社5社+持株会社(2020年6月1日時点)
✓印の2019年度数値は、KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を受けています。

高齢者の雇用

これまでの経験やスキルを活かすとともに、能力を発揮してもらう制度として、定年退職者の再雇用制度を設けています。
業務上の必要性及び本人の勤務内容などにより更新できることとし、最長65歳まで雇用します。

プロフェッショナル人財の育成

グループの総合力・競争力を左右する人財の育成については、一人ひとりがプロフェッショナリズムをもって付加価値の高い業務へとシフトできるように、グループの成長戦略に不可欠なスキルの習得や海外経験の機会を設けています。

デジタル人財

デジタライゼーションの推進基盤として、大学等の教育機関との連携により、デジタル人財の育成や社員のデジタル活用力を強化しています。京都先端科学大学と共同で開発したオンライン型研修プログラム「MS&ADデジタルカレッジ from京都」や東洋大学情報連携学部と提携した研修プログラム「MSデジタルアカデミー」等を開設しました。研修で学んだ知識をビジネスモデルの創造や革新的な商品・サービスの開発につなげていきます。

《データサイエンティスト》
時代の変化をチャンスと捉えて
常に新しいことにチャレンジ

データサイエンティストの役割は、ビジネス課題を分析課題に落とし込み、データ分析によって課題解決に導くことで社会に貢献することです。そのため、データを扱うためのITスキルや分析するための数理能力に加え、ビジネス理解や現場と連携するためのコミュニケーション力やプレゼンテーション力の向上に努めています。また、海外の資料やカンファレンス等から情報を取得することや取引先とのやりとりもあるので、語学の勉強もしています。必要な知識も多く、学んだことを実務に活かすのは難しいですが、データソリューション室には各自が勉強した内容や業務知識などを共有する場があるので、このようなアウトプットの場を理解したことの整理に活用しています。
近年、さまざまなビジネス領域でデータ活用が進んでおり新たな課題も生まれてきています。それに応じて分析手法も日々発展しており、データサイエンティストが活躍できる範囲はますます広がっていくと感じています。あいおいニッセイ同和損保は、テレマティクス保険等のビッグデータを活用した商品・サービスの開発に積極的に取り組んでおり、そのような環境の中で常に新しいことにチャレンジできる機会が得られることにやりがいを感じています。

《MS&ADガレージプログラム》
シリコンバレーの最新技術を取り入れて
ビジネス課題を解決

三井住友海上プライマリー生命では、デジタライゼーションの推進による業務プロセスの改革や競争力の強化に取り組むとともに、若手社員を主体とするワークショップを通じて、デジタル技術を活用した新ビジネスのアイデア創出を進めています。昨年8月に、最新の技術を取り入れて課題を解決することを目的に、シリコンバレーでの「MS&ADガレージプログラム」※に参加しまし
た。シリコンバレーには、新たなテクノロジーやビジネスモデルでビジネス課題を解決する起業家とベンチャーキャピタルが集結していて、CVCであるMS&ADベンチャーズがこのエコシステムの中で活動していることで、多くのスタートアップ企業と面談の機会を得ることができました。シリコンバレーに滞在した1か月間で約160社のプレゼンを確認し、今までとは異なる視点で課題
の本質は何かを考える習慣が身についたこと、さまざまなIT技術に触れることで自社にどう活用することができるのか、今当社で活用すべきなのかなど、技術を選定する力を養うことができたと思います。持ち帰った技術は営業社員の活動のサポートや、AIを活用したお客さまサービス向上の取組みなど施策の実現に向けて検証を進めています。
※MS&ADガレージプログラムは先進技術や新しいサービスの開発にかかわる投資家やベンチャー企業が集まるシリコンバレーに国内外のグループ会社の社員が出張し、自国で解決できないビジネス課題(=ペインポイント)を解決できる先進技術や新しいサービスの発掘を支援するプログラム。

アクチュアリー

商品開発、リスク管理等に確率・統計等の手法を駆使する数理のプロフェッショナル人財の育成を強化しています。アクチュアリーの資格を有する社員から直接指導を受けられる合宿形式の研修を開催しています。また、新卒採用では、アクチュアリーのスペシャリストコースを設け、学生は、損保アクチュアリーの仕事を体感できる4日間のインターンシッププログラムに参加することもできます。

 

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

アクチュアリー
資格取得者※

94名

100名

103名

111名

※各翌年4月1日時点

海外拠点雇用社員の日本でのプログラムの様子
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海外拠点雇用社員の日本でのプログラムの様子

グローバル人財

当社グループは、世界50か国・地域にネットワークを持ち、海外拠点の社員は、約9,000人に上ります。国際感覚と専門性を備えたスペシャリストを育成するため、世界各地と日本の間で社員が相互交流し、切磋琢磨する仕組みを整備しています。

制度

内容

海外での研修制度 派遣制度

  • 海外現地法人、現地保険会社、大学などで海外のビジネススキルや語学などを学ぶ研修制度
  • MBA取得のための派遣制度
    2019年度利用者数:48名

グローバルトレーニー制度

本社の社員が海外拠点の業務を、現地雇用社員が本社の業務を短期間体験する制度
2019年度利用者数:国内社員85名、海外拠点雇用社員46名

海外拠点雇用社員の出向制度

海外拠点雇用社員が日本本社へ出向する制度

2019年度までに8名が日本での業務に従事

Topics

自己啓発のために自費で大学や大学院等に留学・通学する社員をサポートする休暇制度があります。社員一人ひとりがキャリアビジョンを描き、自己研鑽や新たなことへのチャレンジを通じて、成長し活躍し続けることで、「働きがい・やりがい」を実感できる組織風土の醸成をめざします。

健康経営

社員一人ひとりが心身の健康を保持増進できる健康や安全に配慮した職場づくりをめざしています。職場では解決しにくい、
あるいは担当部署へは報告しにくい、法令違反、社内規定違反、不適切と思われる行為について、通報・相談を受け付けるス
ピークアップ制度(内部通報制度)を設けるなど、心身不調の未然防止取組も強化しています。

働き方改革

2016年度から働き方改革を推進し、「原則19時前退社」、「休暇取得の促進」、「業務の効率化」などによる労働時間の削減を進めるとともに、社員一人ひとりの専門性向上と多様な能力を活かすマネジメントの実践により、生産性向上に取り組んでいます。
また、社員が仕事と生活を両立させながら、働きがい・成長を実感し、健康にいきいきと働くことができるための諸制度を整備しています。例えば、転居を伴う転勤のない社員が一定の事由により勤務地域を変更できる制度やライフイベントにより退職した社員が復職できる制度等、社員が働き続けられる環境の整備、支援施策の拡充に取り組んでいきます。更に、休暇取得や、創出した時間でのライフスタイルの充実も推進していきます。

有給休暇取得日数※

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

15.7日

16.0日

15.6日

15.7日

※「定例・繰越休暇」と「特別休暇」の社員平均取得日数

 

 

社員満足度

指標 2018年度 2019年度
実績※ 目標 実績※
社員満足度
「誇り、働きがい」
社員が誇りや働きがいを持っ
て働いていると感じている度
合い
4.4ポイント 前年度と
同等以上
4.4ポイント
社員満足度
「いきいきと働く」
社員が性別・年齢等に関係な
く、いきいきと働くことがで
きると感じている度合い
4.3ポイント 前年度と
同等以上
4.5ポイント

※6ポイント満点での全社員の平均 

Topics

新型コロナウイルスの影響を受け、多くの社員が、在宅勤務やデジタルツールを活用したリモートワークを利用しています。また、一日の勤務時間を変更できるシフト勤務や時間単位の有給休暇制度等も活用しています。引き続き時間や場所を効率的に活用する柔軟な働き方を推進していきます。

このような取り組みが高い評価を受けました

D&I推進レポート2020

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