CSV × DX戦略 〜デジタライゼーションの推進〜

中期経営計画「Vision 2021」では、2030年に目指す社会像として「レジリエントでサステナブルな社会」を掲げ、CSV(社会との共通価値の創造)を通じてこれを実現することを進めてきました。また、「世界トップ水準の保険・金融グループの実現」と「環境変化に迅速に対応できるレジリエントな態勢構築」を目指して、3つの重点戦略「グループ総合力の発揮」、「デジタライゼーションの推進」、「ポートフォリオ変革」に取り組んでいます。
「デジタライゼーションの推進」においては、事業環境が目まぐるしく変化する中、デジタル技術を活用し、社会課題(当社の7つのCSV重点課題)を解決する「CSV×DX※」戦略を展開しています。
デジタルを活用した成長戦略については、3つの変革、すなわち「商品・サービスの変革」、「販売チャネル・販売力の変革」、「新たなビジネス創造」を実現していきます。同時に、デジタル人財の育成やナレッジ・ノウハウを共有するデータベース構築等、上記の戦略を支える基盤づくりを進めています。

※ DX:デジタル・トランスフォーメーション

商品サービスの変革

従来の「保険」は、事故や災害が起きた場合に、経済的損失を補償するものでしたが、デジタルを活用することでリスクを可視化し、その発現を防ぎ、万が一発生した場合にも影響を小さくし、素早く回復することをシームレスに提供していきます。

<主な取組み>

「元気で長生きを支える」に貢献「健康経営支援保険」

健康管理アプリ「Myからだ予想」による従業員の健康リスクの見える化・病気予防のツールと、ケガや病気により働けなくなった従業員の所得補償、健康経営支援サービスの3つの機能が一体となった保険パッケージ。従業員がアプリを活用することで管理者はデータによる健康管理が可能。アプリ活用による従業員の健康増進取組に応じた保険料割引を導入しており、アプリ利用により、従業員の健康増進・疾病予防に役立ち、また、アプリの利用状況によって企業負担保険料を割引

 

「事故のないモビリティ社会」に貢献

「テレマティクス自動車保険」

「タフ・つながるクルマの保険」は、テレマティクスで取得したデータをもとに安全運転状況をスコアにして提供するとともに、安全運転スコアに応じた保険料割引体系を導入。また、万が一の事故が起きた際の自動通報サービスやデータに基づく損害サポートによって、事故後の迅速な回復も実現

 

牛の診断費補償サービス

(U-motion商品付帯)

畜産のIoTリーディングカンパニーであるテザミス株式会社と連携し、家畜⽜に装着するセンサーに牛の診療費を補償する保険を付帯。センサーが牛の異常を迅速に検知することで牛の死亡率低減を促すとともに、公的農業共済における診療費の農家自己負担分を保険で補償することで農家の経営安定化に貢献。また、公的農業共済の収支改善や、農家と獣医師の労働環境の改善等、多岐に渡る畜産業界の積年の課題解決にも貢献

 

AIを活用した自動車事故防止、

事故対応サービスの高度化

・自動車保険に専用ドライブレコーダーを活用したサービスをセット。専用ドライブレコーダーは前方衝突・車線逸脱・高速道路逆走等のアラートによる事故防止機能や、一定以上の衝撃を検知した場合に、専用安否確認デスクのオペレータにつながる自動通報サービス、録画映像から契約車両と相手方車両の挙動(進行方向やスピード等)をAIが分析する事故状況説明システム「Ai’s(アイズ)」を実装。よりスムーズな事故処理を実現し、事故の影響を減らし、回復を支援(MS)
・ドライブレコーダーが大きな衝撃を検知すると自動的にコールセンターに通知されオペレーターがドライバーへ連絡、安否確認やレッカー手配等スムーズに実施。
さらにAIを活用し相手車両の速度等を解析、判例情報を照らし合わせ過失割合の判定をサポートする等、ドライブレコーダーや車載器から得られるさまざまなデジタルデータを活用した最先端の事故対応サービス「テレマティクス損害サービス」を提供。より一層お客さまに寄り添った事故対応が可能に(AD)

 

AIによる24時間受診相談

Web上でAIからの質問に答えることで、現在の症状と関連性の高い「疾患やその情報」、「受診すべき診療科」、「近隣の医療機関」を無料で確認できるサービス「ユビーAI受診相談」を2021年7月より提供開始。インターネット環境があれば24時間いつでもすぐに利用でき、些細な症状でも気軽に相談できるため早期受診のきっかけとなり、重症化の予防が期待できる。AIを用いた受診相談サービスの提供は、国内生命保険会社初(2021年6月30日時点、当社グループ調べ

 

販売チャネル・販売手法の変革

募集・提案から契約締結、事故対応までend-to-endで保険手続プロセスのデジタル化を実現するほか、デジタルプラットフォーマーとシステム連携し、EC(電子商取引)サイトでの商品購入手続きの途中に、保険提案プロセスをビルトインするような取組みを進めています。

<主な取組み>

AIを搭載した損保業界初の代理店営業支援システム(MS1 Brain)

MS1 Brain(エムエスワン ブレイン)とは、AIを搭載した損保業界初の代理店営業支援システムのこと。お客さま情報とビッグデータを掛け合わせてAIが分析し、お客さまニーズを的確に把握して、最適な商品・サービスの提案を実現。20212月には、お客さまと代理店がスマートフォン等を介した新たな契約手続き方法、「MS1 Brain リモート」をリリースし、セキュアな環境での非対面手続きが可能に

ビルトイン型保険の提供

「ビルトイン型保険」とは、当社のデジタル保険販売プラットフォームをデジタルビジネス事業者(以下「事業者」)とデータ連携させて、事業者の利用者向けに販売する保険の総称。ECやシェアリングサービス利用の過程で保険に加入できるため、これまで「加入すべき保険が分からない、保険加入のための情報入力が手間等」といった理由で保険の加入をされなかった方に、「適切なタイミングで、必要な保険に、簡便に加入する」機会を提供し、保険加入による安心・安全を提供

 

新たなビジネスの創造

気候変動の影響による自然災害の甚大化、自動車新技術や第四次産業革命の進展、高齢化の進行など、社会の変化とともに広がっていく新たなビジネス領域を、CSV×DXで実現していきます。

 

<主な取組み>

ビックデータの活用
(RisTech)

「RisTech(リステック)」とは、「リスク」と「テクノロジー」を掛け合わせた造語で、ビッグデータや最新の分析アルゴリズムを活用することで、企業の抱えるリスクを可視化・最適化し、課題解決を図るサービスのこと。当社グループが有する事故や災害に関するデータ等のノウハウと、アクセンチュアがグローバルなデジタル・テクノロジー領域のコンサルティングで培った多様な業界知見を組み合わせることにより、地震や水害対策支援等、社会が抱えるさまざまな課題解決を図り、安心・安全な社会の実現に貢献。
2021年度からは新型コロナウイルスの感染拡大や自然災害等、社会課題の解決に資するよう、サービス対象範囲を拡大

米国でのテレマティクス事業(TIMSビジネスモデル)

2016年4月あいおいニッセイ同和損保、トヨタファイナンシャルサービス株式会社、トヨタ自動車株式会社の3社は共同出資会社トヨタインシュランスマネジメントソリューションズUSA,LLC(TIMS)を設立。トヨタユーザーの車両走行データをサービスや保険料率に反映できるよう独自のアルゴリズムにより加工し、提携保険会社へ提供することでビッグデータビジネスを展開

Jupiterとの提携によるTCFD向け気候変動影響定量評価

米国スタートアップのJupiter Intelligence 社との業務提携により、国内保険・金融グループとして初となる、全世界を対象とした気候変動影響定量評価サービスを提供。AIを活用し、気候変動に伴い甚大化が想定される洪水や風災等の自然災害リスクについて、全世界対象に90m四方の精度で定量的に評価。お客さまの事業拠点の位置情報をもとに高精度でシミュレートを行い、このアウトプットをもとに、TCFD の開示要求に基づいた情報開示も支援

CSV×DX推進のための基盤

デジタライゼーションの推進のために、新たなビジネスの創造、課題解決のためのノウハウの習得や、活用能力の向上にむけて、社内公募や人財育成の取組みを進めています。

<主な取組み>

デジタルイノベーション

チャレンジプログラム

2019年度からグループ企業14社の社員を対象にデジタルを活用したアイデアを募集するプログラムを実施。応募案件は社内外有識者による厳正な審査を実施し、審査をクリアしたアイデアの実現化に取り組んでいる。2年間の応募件数は4,000件を超え、実証実験を経て実現化目前の事例もあり

デジタライゼーション※を

担う人財の育成

新たなビジネスの創出や、業務プロセスの改革等、デジタライゼーションの取組みを進めるにあたり、社員一人ひとりが新たな領域にチャレンジし、デジタル活用能力(知識・スキル)を高めることが不可欠。社員が自律的に学べる場として、専門的知見を有する大学等の教育機関と連携した当社グループ独自のデジタル人財育成プログラムを導入
<研修・制度の例>
・MS&ADデジタルアカデミー
・MS&ADデジタルカレッジfrom京都
・システム×デザイン思考研修
・滋賀大学大学院派遣
(※)デジタル技術によるプロセス・サービス等の効率化・利便性向上にとどまらず、当社グループのビジネス全体の変革につなげる取組み