福田 寧子(三井住友海上 執行役員 経理部長)

<略歴>

1991年に住友海上(現三井住友海上)入社。経理部に配属。オランダへのMBA留学、出産・育児休業等を経て、2014年経理部国際経理チーム長、2016年MS Amlin出向(英国駐在)部長、2020年経理部長、2021年より現職。

Q:執行役員・女性リーダーとして常に注目される立場ですが、役員になってからどのような変化を実感していますか?

いろいろな立場のリーダーと接する機会が増えました。私に限らず皆が自分の「視点」、つまり一定の枠組みで物事を捉えています。「視点」があるということは「盲点」もあって、違う視点を持つ人から学べることは本当に多いと実感しています。私たちが日々挑んでいる課題を解決するには、問題が「見えていること」が 大切であり、多様な視点を持つことは、激しく複雑に変化し続ける市場で勝ち抜くカギだと改めて感じています。

 

Q: 2023年の国際女性デーのテーマは「全てをデジタルに ジェンダー平等のためのイノベーションとテクノロジー」です。自身の仕事におけるデジタル対応やテクノロジーに関連した取組み、意識している点について教えてください。

在宅でのオンライン会議が増えました。海外との会議では子どもを抱きながら会議に出るメンバーがいる一方、日本では子どもに「しばらくあっちで遊んでいて」と声をかけている場面を見かけます。創造的な仕事には「チーム」による集合知が必要です。デジタルは会議等のツールとしてだけではなく、チームメンバーの立場や考えを深く理解し、認めることにも活用できます。日本でも、子どもを抱きながら真剣な議論を交わす景色が見られるよう願っています。

 

Q:働く女性の皆さんにメッセージをお願いします。

英国での駐在期間を含め、海外と接する機会に恵まれたことで、一つの事象へのアプローチには文化や経験に基づく違いが多くあるのだと感じました。一方で、現地にいるとその国の文化を疑似体験でき、「共感」できる部分も増えてきます。自分の課題や問題は、一人で背負わず上手に周囲に「問い」という形で分散すると、その課題に寄り添ってくれる「共感者」があらわれます。寄り添い共感できる、共に助け合いながら成長していける会社や組織であり続けたいです。