経済活動により自然資本のき損が進んでおり、このまま生物多様性が損なわれていくと、持続可能な社会の実現への支障となる可能性があります。当社グループは自然資本の持続可能性向上を重要な課題と捉え、取組みを進めています。
2008年度の企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)の設立や、自然関連のコンサルティングサービス、大学との共同研究など、継続的に取り組んできました。ネイチャーポジティブな社会、そして、自然と共生する世界を目指し、自然資本・生物多様性に関する取組みに注力をしています。
2021年度には自然関連の財務情報開示を推進するため発足した自然関連財務情報開示タスクフォース(以下、「TNFD」)※1に賛同しました。TNFDが2023年9月に公表したTNFD開示提言第1版(TNFD v.1.0)を参考に、自然関連の情報開示を進めています。
当社グループは、TNFDが提唱するLEAPアプローチ※2の考え方に沿って、自然への依存とインパクトを考慮しながら、リスクと機会を特定しました。優先的に分析するべき範囲を検討する「スコーピング」においては、事業規模、自然資本への影響、評価可能性を考慮し、「損害保険事業」、「金融サービス事業」、「デジタル・リスク関連サービス事業」を主な対象として、特定しています。

 

※1 Taskforce on Nature-related Financial Disclosures(自然関連財務情報開示タスクフォース)
企業等が自然に関連したリスク情報を開示し、ビジネスへの影響を可視化することで、自然にネガティブなインパクトを与える資金の流れを転換させ、自然にポジティブなインパクトをもたらすよう、情報を開示する枠組の開発を目指す国際的な組織

※2 事業が行われる地域や バイオーム(生物群系)に着目しながら、自然関連のリスクと機会を管理するための統合的な評価プロセスのこと。「LEAP」とは、Locate(発見)、Evaluate(診断)、Assess(評価)、Prepare(準備)の4つのフェーズ