めざす姿

2015年気候変動枠組条約のパリ協定採択を受け、世界各国の政府が世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をするという目標達成に向けて取り組むことに合意しました。
そのためには、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林等による)吸収量のバランスを取ることが必要です。温室効果ガス排出量の大幅な削減を前提とした脱炭素社会へ移行し、適応することが求められています。
MS&ADインシュアランス グループは、保険事業者として自然災害による巨大な集積損害リスクへの対応を進めるとともに、社会の変化をいち早く捉え、自社のリスクマネジメントを高度化しています。また、2009年度を基準年とし、CO2排出量を2050年度までに70%削減するという目標を掲げ、自社の事業活動による環境負荷低減への取組みを進めています。
さらに、保険やコンサルティングの提供を通じて、気候変動による異常気象が企業等の活動に与える影響への対策の提供、脱炭素社会への移行に貢献する商品・サービスの開発を通じ、持続可能な発展を支援し続けていきます。

気候関連の財務情報の開示

「レジリエントでサステナブルな社会」への脅威となる社会的課題の一つに気候変動を掲げ、「社会との共通価値の創造(CSV取組)」として「気候変動の緩和と適応に貢献」に取り組んでいます。
気候変動は社会や産業に著しい影響を与え、企業の業績の大きな変動要因になるため、事業活動における気候変動の影響を企業が情報開示する重要性が増してきています。当社グループは気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、このガイドラインに沿って情報を開示していきます。

社会との共通価値を創造

気候変動の進展により世界的に自然災害が甚大化し、これまでに経験したことのない巨大な被害が発生する可能性が高まっています。こうした大災害の発生は言うに及ばず、緩やかに進む気象の変化でさえも、事業活動や日々の生活を不安定にさせ、物理的にも経済的にも損失をもたらします。自然災害は地球全体が共有する巨大リスクであり、そこに密接に関わる保険にとっては、支払保険金の増大によるグローバルな保険システムの劣化も懸念されます。
気候変動の進展を緩和する一方で、こうしたリスクの増大に備えて対策を講じていかなければなりません。当社グループは、大規模災害の損失に係る再保険をはじめ十分な備えで社会に安心・安全を提供していきます。また、自然災害がお客さまにもたらす被害や損失をなくす、又は軽減するための適切なサービスを提供することで気候変動への適応を進め、脱炭素社会の実現につながるニュービジネスを支えていきます。

リスクを見つけ伝える リスクの発現を防ぐ
リスクの影響を小さくする
リスクが現実となった時の
経済的負担を小さくする
気候変動の影響を踏まえたリスク分析

(分析例)
・長期的な洪水予測に基づくリスク評価
・マルチハザード予測に基づく定量評価
・脱炭素社会への移行に伴う将来的な事業リスク
・水を大量に使用する事業が、将来的に受ける各拠点の水枯渇のリスク
・自然災害のリアルタイム被害予測
調査・分析結果をもとにしたリスクマネジメント策の提案

(提案例)
・大規模な自然災害による事業中断シミュレーションに基づく対策検討
必要なリスク補償の提供

(補償例)
・事業の中断や施設の閉鎖による売上減少・システム障害時の復旧等費用増大リスクへの補償

気候変動のリスクの評価・分析に関するサービス提供・調査研究

気候変動がもたらすさまざまな影響への対応が求められるなか、気候変動がもたらすリスクを特定し評価することが必要となっています。当社グループは、気候変動リスクの評価・分析に関した取組みを進めています。

気候変動リスク分析サービス

企業が把握すべきリスクの対象範囲は、気候変動に起因した洪水、干ばつ等の物理的リスクに加え、エネルギー構造の転換等、社会経済が脱炭素社会に移行するリスク(移行リスク)も包含。このようなリスクを評価・分析し、TCFDの最終提言に沿って、気候ガバナンス体制構築、シナリオ分析、戦略策定などを支援するサービスを提供

また、2020年7月に気候変動による自然災害リスクの影響を全世界対象に90m四方の精度で定量的に評価するサービスを開始

 

気候変動リスク分析サービス

気候変動リスク分析ベンチャーJupiter IntelligenceとのTCFD向け気候変動影響定量評価サービスを開始 

 

「気候変動による洪水頻度変化予測マップ」の提供

MS&ADホールディングスとMS&ADインターリスク総研は、国立大学法人東京大学、芝浦工業大学とともに、「気候変動による洪水リスクの大規模評価(LaRC-Flood®)」プロジェクトに参画し、プロジェクトの一環として「気候変動による洪水頻度変化予測マップ」を公開。また、気候変動と洪水リスクの関係を明らかにすることを目的とし、アジアの大河川を対象に、過去の洪水の発生確率に関する温暖化の影響を広域かつ定量的に評価することに着手。

今後、気候変動がさらに進行することにより、世界的に洪水リスクが高まり、企業経営にも大きな影響をおよぼす可能性があるため、当社グループでは、保険会社として自然災害への対応と防災・減災への取組みを推進。特に、気候変動は、長年グループ全体で取り組んできた課題であり、めざす社会像の実現に向けて、産官学連携を通じた社会的課題への解決に注力

 

LaRC-Flood マップ

補償の提供

保険やコンサルティングの提供を通じて、自然災害がもたらす被害や損失に対する備えや、脱炭素社会に向けたイノベーションに対して積極的にサポートすることにより、経済の活性化と気候変動の緩和と適応に貢献するとともに、環境負荷の低減につながる商品の開発・提供にも取り組んでいます。

再生可能エネルギー事業を支援する商品

再生可能エネルギー事業者(太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、中小水力発電など)を取り巻くさまざまなリスク(財物損害、利益損失、賠償責任など)について総合的に補償する各種保険商品を販売すると同時に、リスク評価・コンサルティング等によるリスクマネジメントサービス及びハンドブック等による情報提供を通じ、脱炭素社会への移行に向けて再生可能エネルギーの普及を側面から支援。
メガソーラー総合補償プランの新規契約数は、2018年度比53%増加

 

SDGsに貢献する商品・サービス

天候デリバティブ

異常気象や天候不順によって生じるお客さまの財務上の損失を軽減するために、天候デリバティブを販売。例年を上回る(あるいは下回る)降雨、猛暑・冷夏、厳冬・暖冬、日照不足などによる売上減少や費用増大に対して、天候デリバティブの引受けを通じてソリューションを提供

 

インターリスク サステナブル経営レポート

海外における公的自然災害補償制度への参画

2013年に日本政府と世界銀行が協力して設立した「太平洋自然災害リスク評価及び資金援助イニシアティブ保険制度」において、自然災害リスクの引受再保険会社の1社として設立当初より継続的に参画。また2020年には新たに「カリブ海諸国災害リスク保険ファシリティ」に参画。保険市場が十分に発達していない太平洋島嶼(とうしょ)国やカリブ海諸国で一定規模の自然災害(サイクロン・ハリケーン及び地震・津波)が発生した場合に、被災した国・地域へ迅速に復興資金を提供

環境負荷低減の取組み

自らの事業活動における環境への負荷の低減に向け、環境基本方針を制定し、PDCAサイクルで取り組んでいます。

環境マネジメント

環境問題を経営の重要課題と位置付け、「MS&ADインシュアランス グループ 環境基本方針」のもと、脱炭素社会の実現に貢献する環境取組を積極的に推進しています。 環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証とグループ独自のマネジメントシステム「MS&ADみんなの地球プロジェクト」を組み合わせ、環境基本方針に定める行動基準に沿った取組みを行っています。

CO2排出量の削減

2015年に採択された「パリ協定」に賛同し、気候変動に対応するため「パリ行動誓約」に署名しています。この署名を踏まえ、これまでの2020年度目標に加え、グループ全体の2050年CO2排出量削減目標を策定しています。グローバルに事業を展開する保険・金融グループとして、グループ全社を挙げ、CO2排出量削減に積極的に取り組んでいます。

紙使用量の削減

保険契約やお支払い等手続の電子化、インターネット上で閲覧できる電子証券や約款の提供により、紙使用量を削減し、環境負荷を大幅に低減しています。

森林認証紙※の使用促進

当社グループでは、2010年度よりパンフレット等の印刷物について森林認証紙への切替えを推進しています。適切に管理された森林の木材から作られる紙を使用することで、森林保護を通じた生物多様性の保全に貢献します。

 

(※)持続可能な森林利用や環境保全を目的に、適切に管理された森林からの木材を原料として製造された用紙

バリューチェーンにおける取組み

環境負荷低減の取組みは、当社グループだけに留まらず、重要なビジネスパートナーとともに推進しています。また、業務で使用する物品については環境に配慮した製品を優先して購入するなど、グリーン購入に取り組み、バリューチェーン一体となって、持続可能な社会への貢献をめざしています。

エコアクション21認証取得支援

代理店や中小企業のお客さまに対して、環境省が推奨する環境マネジメントシステム「エコアクション21」の認証取得のためのプログラムを提供

エコ整備・エコ車検

自動車整備業を中心とする代理店組織である「アドバンスクラブ」を通じて、エコ整備・エコ車検の普及を推進。エコ整備・エコ車検とは、特殊な方法で自動車のエンジン燃焼室内を洗浄すること(エンジン洗浄)を中心とする整備技術。有害ガスの排出が抑えられるほか、燃費が改善し、使用燃料が減ることでCO2の削減に寄与

エコ安全ドライブ

環境にやさしく、燃料費の削減に貢献し、さらに自動車事故の低減を実現する取組みである「エコ安全ドライブ」を推進する支援ツールを提供

eco保険証券/Web約款の取組み
(MSA生命はWeb約款のみ)

保険の契約に係る証券や約款のペーパーレス化を推進。三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は、eco保険証券・Web約款を選択された件数に応じて環境保護の取組み等へ寄付も実施

 

三井住友海上 Green Power サポーター/ eco保険証券・Web約款

あいおいニッセイ同和損保 ペーパーレス保険証券・Web約款

三井住友海上あいおい生命 Web約款

CDP(旧名称:カーボンディスクロージャープロジェクト)への参加

CDP(旧名称:カーボンディスクロージャープロジェクト)は、企業の気候変動対策に関する世界最大のデータベースを持った独立非営利団体で、世界中の企業等団体が CDPを通じて温室効果ガスの排出量や気候変動に対する対策を公開しています。MS&ADインシュアランス グループは、この取組みに賛同し、継続的に報告しています。