2017年度は前中期経営計画「Next Challenge 2017」の最終年度であり、4年間にわたり行ってきたCSR活動の2本の柱「事業活動を通じた社会的課題解決への貢献」、「品質向上への取り組み」の総仕上げの年となりました。自然災害の頻発化・甚大化、格差による社会の活力低下、高齢化の進展といった社会的課題への解決に、グローバルな保険・金融サービス事業者として、このような社会的課題に起因する多様なリスクを見つけお伝えし、予防策を講じ、万一の際にはリスクを低減するソリューションを高い品質で提供することに取り組んでまいりました。

 

2018年度から新たにスタートした中期経営計画「Vision 2021」では、2030年に目指す社会像として「レジリエントでサステナブルな社会」を掲げ、この実現に向けて解決すべき社会的課題を認識し、取り組みを続けていきます。保険事業というのは、人々や企業、地域社会が、レジリエントでサステナブルであるために存在するとも言えます。災害などでお支払いする保険金が、個々の被災者の生活再建や地域社会の復興に貢献するものであることにも現れています。一方で、安定した暮らしを継続したい、事業を継続的に発展させていきたいという思いにお応えする保険事業は、持続的な社会があって初めて成り立つ事業です。人々の安心・安全や企業活動の発展を支え、社会的課題の解決に貢献し、事業を通じて社会との共通価値を創造することで持続可能な社会の形成を目指すことは、われわれの価値創造ストーリーそのものといえます。

 

保険事業を通じて社会との共通価値を創造していくにあたり、注力する領域が三つあります。第一に気候変動への対応です。頻発化・甚大化している自然災害には、災害が発生した際の被害へ備えるのみならず、自然災害を引き起こす要因となる気候変動を緩和するための対策が大きな意味を持ちます。2018年5月に開催した気候変動シンポジウム「『気候変動』をテーマにSDGsへの次の一歩を考える」では、SDGsの重要な課題の一つである気候変動を中心に、企業、NPO、自治体、研究機関などと課題を共有し、様々な可能性を検討しました。大学と協同で立ち上げた気候変動に関する研究プロジェクトや再生エネルギー事業の支援など、実効性の高い取り組みを進めていきます。

 

第二の領域として、社会の変化にともない、多様化するリスクへの対応力を高めることが挙げられます。例えば、攻撃手法の高度化が増すサイバー攻撃への対応策として、リスクの評価からソリューション提供まで、ワンストップでの対応を可能とすることで様々なリスクを事前に防ぐことができます。事故の発生を抑え、万一発生してしまった場合には被害を最小限に食い止めることで、「レジリエントでサステナブルな社会」の実現を目指します。

 

このような社会で暮らす人々が健康で長生きし、安定した暮らしを送れるよう支援することが第三の領域です。ステークホルダーの「元気で長生き」を支えること、また、当社のことながら、従業員の心身の健康を支える取り組みも継続して進めていきます。ドライバーの健康状況を分析し、居眠りなどの運転中の事故につながるリスクを事前に把握し取り除く事故防止の取り組みや、認知症治療などの介護リスクに備える終身医療保険の提供、豊かなセカンドライフを支える資産形成商品の充実化などに取り組みます。これらの3つの注力すべき領域から重点課題を選定し具体的な取り組みを進めています。

 

われわれが重点的に取り組む課題は、世界の共通目標であるSDGsの実現に向け解決が望まれる課題と多くの共通点があります。そのため、当社グループはSDGsを道標として捉え事業活動を展開することにしました。社会がレジリエントでサステナブルであるためには、われわれ自身もレジリエントでサステナブルでなくてはなりません。次々と変化し現実化するリスクへの社会全体の対応力を高めるために、リスクの存在を明らかにし、予防策を講じ、リスクの発生や被害の範囲を低減できれば社会が立ち向かわねばならない被害が抑えられ、さらなるリスクへの対応力も増します。このような活動をグローバルに展開することで、われわれ自身も新たなマーケット開拓やビジネスモデルの発展につなげ持続的に成長していくことができると考えます。

 

当社グループの価値創造ストーリーを支える確かな品質と適切な環境で能力を発揮し活躍する社員の力を源泉とし、レジリエントでサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

2018年9月

柄澤康喜

 

取締役社長 グループCEO