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健康寿命の延伸をめざす日本の戦略とは? - 自治体、企業などで取り組む健康寿命延伸と生活習慣病予防の動向をレポート - 健康寿命の延伸をめざす日本の戦略とは?
自治体、企業などで取り組む健康寿命延伸と生活習慣病予防の動向をレポート

世界有数の長寿国となった日本で、いま大きな命題となっているキーワードが、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されず生活できる期間)の延伸です。今回のレポートでは、自治体(地域)や企業(健康保険組合)等で進みつつある、健康寿命の延伸に欠かせない生活習慣病予防や健康増進の動向、そして新たな産業創出の潮流を紹介します。

POINT1 現状と課題~重要性を増す生活習慣病予防 data1
現状と課題~重要性を増す生活習慣病予防

<図表1>平均寿命と健康寿命の推移

<図1>平均寿命と健康寿命の推移 男性

<図1>平均寿命と健康寿命の推移 女性

健康寿命と平均寿命の差を縮めることが重要

日本の平均寿命は世界トップクラスですが、一方で健康寿命との差、すなわち日常生活に制限のある不健康期間が男性でおよそ9年、女性で12年あります。
健康寿命が延びると、本人のQOL(生活の質)の維持・向上はもとより、地域の活性化につながり、結果的に医療・介護費用の増加を抑えることができると期待されています。政府は2020年までに健康寿命を1歳以上延ばすことを目標に掲げていますが、健康寿命を延ばすには、若いときからの生活習慣病予防が欠かせないと提言されています。生活習慣病は若年期及び中年期からの発症が多く、生涯にわたって健康状態に悪影響を与え、高齢者が要介護状態になる原因の一つともなります。生活習慣病とその関連疾患は、医療診療費の約3割、死因の約6割を占めているとされます。
しかし、実際には、平均寿命と健康寿命の差は縮まっていません(図表1)。
こうした中、生活習慣の改善や受診勧奨を通じた「予防や早期診断・早期治療の拡大」を進める自治体や企業の取り組みがますます重要になっています。

POINT2 地域・自治体の健康寿命延伸の取り組み~「健康なまちづくり」 point2
地域・自治体の健康寿命延伸の取り組み~「健康なまちづくり」

<図表2>スマートウェルネスシティの基本コンセプト

自治体や国も「健康なまちづくり」を推進

地域の健康寿命の延伸をめざして、自治体独自に、あるいは全国横断的に各種の取り組みが行われています。テーマは「健康なまちづくり(健康とまちづくりの融合)」。その具体的な施策を見てみましょう。

●自治体の独自事例

静岡県は、2012年に公表された都道府県別健康寿命で、女性が全国1位、男性が2位になるなど全国トップクラスの健康寿命県です。健康マップの開示や、運動・栄養・社会参加について良い習慣のある人は死亡率が低いとする研究データを示すなど、健康関連データの見える化を積極的に進めています。
長野県松本市は、松本地域健康産業推進協議会の設立、世界健康首都会議の開催などを通し、「健康寿命延伸都市・松本」を国内外に発信。将来の認知症予防には、若い年代から生活習慣病を予防することが重要であると市民にアピールしています。
広島県呉市は、全国に先駆け健診情報から健診異常値の市民を抽出し、診療報酬明細書(レセプト)データと突き合わせて医療機関未受診者に受診勧奨等を行う「糖尿病性腎症等重症化予防事業」を実践しています。データヘルス計画(後述)の嚆矢として、また医療費適正化の好事例として、全国自治体の先進モデルとして注目されています。

●全国横断的な「スマートウェルネスシティ」の取り組み

一方で自治体・地域の枠を超え、全国横断的な取り組みも進んでいます。そのうちの一つ「スマートウェルネスシティ」は、自然に歩けるまちづくりとソーシャルキャピタル(社会的なつながり)の向上をコンセプトに、住民の「健幸(健康で幸せ)」の実現をめざす取り組みです。筑波大学における研究成果を基に、多数の住民に対して個別指導と継続支援を可能とする<個別運動・栄養プログラム提供・管理システム「e-wellness」>を構築。効果が確認された健康づくりプログラムの提供、インセンティブとして健康ポイントの付与など様々な取り組みが行われており、全国33都道府県の63区市町が正会員(2016年11月現在)として参画しています。

DATA3 企業(健保)のデータヘルス計画~リスク階層ごとのアプローチ、個別化健康サービスへ POINT3
企業(健保)のデータヘルス計画~リスク階層ごとのアプローチ、個別化健康サービスへ

<図表3>階層別生活習慣病予防取り組みイメージ

データヘルスを起点にリスク階層別アプローチを展開

特定健康診査や診療報酬明細書(レセプト)などから得られるデータ分析に基づいて、効率よく実施する保険事業をデータヘルスと呼びます。国(厚生労働省)は、2015年度からすべての健康保険組合に対して、データヘルス計画の作成と実施を求めています。
その具体的な柱として挙げられるのが、リスク階層別のアプローチです。定期健診結果から予防可能なリスク疾病につながる兆候がある被保険者を抽出し、レセプトデータを突き合わせて治療状況を確認・分析することで、一人ひとりのリスクに応じた階層に分類。各階層に適した支援策、プログラムを提供するものです(図表3)。
さらに最近では、ウェアラブル端末等IoTによる日々の健康データ収集などが始まり、これらを健康診断やレセプトデータと統合して、行動変容を促す実証事業(「企業保険者等が有する個人の健康・医療情報を活用した行動変容事業など」)も進んでいます。今後、こうした展開が広がると一人ひとりの特性や症状に応じてパーソナライズされた「個別化健康サービス」がより精緻に、より身近なものになると考えられます。

POINT4 健康寿命延伸産業の創出~多種多様なサービスが登場、成長産業の柱へ point4
健康寿命延伸産業の創出~多種多様なサービスが登場、成長産業の柱へ

<図表4>健康と食・農、観光等の地域産業との連携の在り方

新たな健康寿命延伸産業の広がりに期待

ここまで概観してきた地域や企業の生活習慣病予防や健康増進等、健康寿命の延伸を後押しする「健康寿命延伸産業」が広がりを見せています。国は「健康寿命延伸産業創出推進事業」を推進し、運動促進・食事管理はもとより、ツーリズム(旅行)や学習(脳活)や美容に関連したサービスまで、多種多様なビジネスを成長産業に育成しようと試みています。その市場は2011年の4兆円規模から、2020年には10兆円規模にまで拡大するとの試算もあります。 また、新産業創出の一環として、地域のヘルスケア産業を競争力あるビジネスモデルに育成しながら「健康長寿」をブランド化し、我が国の強みとして国内外に地域発サービスを展開することも考えられています。例えば、「健康×食・農」、「健康×観光」等の新サービスを国内外にアピールして需要を呼び込み、持続的なビジネスを創出し、地域を活性化させることが狙いです(図表4)。

世界最先端の健康立国を目指して

今後、医療・介護政策の財源がますます厳しさを増していく中、自らの健康は自らが守るという風潮が強まり、ウェアラブル機器等IoTを使った健康データの活用がますます進んでいくとの指摘もあります。
日本再興戦略2016の中では、「世界最先端の健康立国へ」がうたわれました。医療・介護、健康分野でもICTの利活用に加え、ビッグデータや人工知能、ロボット等の新技術の活用が進み、さらに新たなビジネス・サービスの展開が期待されます。
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