ラムサール条約とは

「MS&ADラムサールサポーターズ」の「ラムサール」とは、「湿地」を守ることを目的として結ばれた国際条約、「ラムサール条約(正式名称:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)」に由来します。

 

「湿地」は渡来する水鳥のほか、魚や昆虫など多くの生きものが生息しており、人間もいろいろと利用して暮らしてきました。しかし開発や人間の暮らしの影響で、その面積は減少してきています。大切な「湿地」を保全するため、1971年にイランのラムサールでこの条約が採択されました。

 

締結国170ヵ国、2,300ヵ所を超える(2019年6月現在)湿地が登録されており、日本では52ヵ所が登録されています。

日本のラムサール条約登録湿地位置図(2018年10月現在)

 

活動の舞台 “湿地”

湿地には色々なタイプがあります。湖や池のように水が溜まっている場所、川のように流れている場所、海岸や干潟のように海に続いている場所、サンゴ礁、湿原、さらに貯水池や、農家の人々が耕した田んぼのように人工のものも湿地に含まれます。

 

つまり水に関係している場所の多くが湿地といえます。 日本は豊富な雨量と周囲を囲む海の存在によって、様々な湿地に恵まれた国です。多種多様な湿地は、日本の豊かな生物多様性を支えています。

 

一方で、湿地は干拓や埋め立て等の開発の対象になりやすく、私たちが進んで保全・再生をしていく必要があります。

生きもののいのちのつながり

田んぼの生きもののつながり
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田んぼの生きもののつながり

湿地に暮らす生きものたちは、食べたり食べられたり(食物連鎖)、お互いに支えあい様々な関係でつながっています。これは地球上の生きもの全てにいえることで、38億年前に地球上に誕生して以来、生きものは長い年月をかけて自然の中で進化し、ともに暮らす生きものたちとバランスのとれた関係を築いてきました。

 

この生きものたちがつながり合って作る「生態系」が、安定した気候や作物を育てる大地、水を浄化・涵養する森の能力を生み出しています。生物多様性とは、この「生態系」の豊かさ、生きものの種類の豊かさ、そして個々の持ちえる遺伝子の豊かさを指す言葉です。

 

私たちは、水、空気、豊富な種類の食べ物や医薬品の基になる化学成分など、自然界から大きな恵みを受けて生活しています。これらの恵みのことを「生態系サービス」といいます。

しかし近年、人間の生産活動や土地開発などによる環境破壊によって、自然のバランスは崩れてきました。一度壊れたバランスを復元することは困難で、現在も多くの生きものが減少・絶滅の危機に瀕しています。

 

人間も生態系の一部です。未来の世代がこれまでと同様に自然の恵みを得ることができるためにも、生きものたちとの共生、生物多様性の保全を、真剣に考えなくてはならないのです。