第三者意見

黒田かをり氏

黒田 かをり氏

一般財団法人CSOネットワーク 事務局長・理事(2011.8 – 現在)

  • 特定非営利活動法人 The Asia Foundation ジャパン・ディレクター(2010.4 – 現在)
  • ISO26000 国内委員会委員、国際作業部会NGOエクスパート(2007 – 2010)

トップメッセージで柄澤代表取締役社長が言及されているように、2015年は、9月に持続可能な開発目標(SDGs)が国連総会で採択、そして12月には、2020年以降の地球温暖化対策の枠組みである「パリ協定」が歴史的に合意され、国際社会が持続可能な社会への移行に向けて大きく一歩を踏み出した年になりました。一方で、自然災害が頻発、その規模も拡大し、また世界に目を向ければテロの脅威や政情不安の拡大や難民問題の深刻化など、社会のリスクや不安定さも増しています。このような時代に、企業への期待や要請は確実に高まっており、特に保険会社の果たす役割は拡大しています。
こういった国内外の動きを念頭に、一昨年、昨年に引き続きMS&ADインシュアランス グループのCSRの取り組みに対して、CSRレポート2016の記載事項をベースに、何点か意見を述べます。

グループにおけるCSR体制の強化

MS&ADインシュランス グループの経営理念、経営ビジョン、行動指針に沿った形で、グループ全体のCSR推進の方向性と体制が再整理されました。柄澤代表取締役社長がトップメッセージで語られている、「経営ビジョンの実現により持続可能で強くしなやかな社会づくりへの貢献」を実施するための体制が明確になったことで、MS&ADホールディングスと各グループ国内保険会社は、これまで以上に一体化して、CSRを進めることが可能になったと思います。グループ保険会社での好事例を参考にする、またそれを横展開していくようなこともこれまで以上にやりやすくなると思います。グループ全体として、経営とCSRを統合する形で取り組みをさらに充実させていくことを期待します。

重要課題への取り組みについて

重点課題の二つ目の柱である「事業を通じた社会的課題解決への貢献」については、世界的に高まるリスクやニーズ、新規の課題などに対応する形で展開しています。MS&ADインシュランス グループは、「パリ協定」の実現に取り組む「パリ行動誓約」に、日本の大手損保で一番に署名しました。このことは、国内外に大きなインパクトを与えると同時に、同グループの脱炭素化へのコミットメントを表したもので高く評価したいと思います。
平成28年の熊本地震では、素早いお客さま訪問や損害調査の実施を行いました。その他の「事故防止、防災・減災」対応では、従来の取り組みに加えて、水災害対策コンサルティングサービスや、高齢ドライバー向け安全運転啓発ツールの提供なども開始しています。このような商品やサービスが社会課題解決にどのようなインパクトをもたらしているかを測る社会的評価も充実させていただきたいと思います。

ステークホルダーとのコミュニケーション

中期経営計画の基本戦略に「ステークホルダーとのコミュニケーション」を基軸に据え、重要課題の議論においても、お客さま、社員、株主、代理店の声を参考にして議論を重ねたことを評価したいと思います。今後は直接の取引や雇用関係のない地域社会や国際社会のステークホルダーとの対話にも注力いただき、具体的に誰とどのように行っていくか、などの検討にも期待しています。

世界的に、「ビジネスと人権」の重要性が急速に増しています。経済活動のグローバル化に伴い、労働問題や人権侵害が深刻化していることから、2011年には国連ビジネスと人権に関する指導原則が採択されました。同原則は、法制度やCSRに関する基準やガイドラインにも大きな影響を及ぼしています。2015年のG7サミットでは首脳宣言に同原則への強い支持が盛り込まれました。
MS&ADグループは、国連グローバルコンパクトの署名、持続可能な保険原則、責任投資原則への署名をしています。具体的な取り組みとして、人事研修や社員からの通報制度の充実を図るほか、人権デューデリジェンスの実施によりプライバシーの保護の観点からのアセスメントを実施するなど、一定評価したいと思います。今後は、人権尊重をさらに進めていただくことを期待します。

CSRレポート 第三者意見を受けて

MS&ADインシュアランス グループ CSRレポート2016へ貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。

2015年度は、中期経営計画「Next Challenge 2017」の2年目にあたり、グループ基本戦略の一つとして、ステークホルダーとのコミュニケーションを基軸に、商品・サービスの品質向上を通じて社会からの信頼を得ること、そして社会的課題の解決に貢献することに取り組んでまいりました。

なかでも、気候変動が原因と考えられる異常気象による自然災害は世界中で頻発しており、これに適応しながら社会のレジリエンスを高めていくことの重要性は、ますます高まっています。2015年12月、当社は、COP21で採択された地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」の実現に取り組んでいくことを宣言する「パリ行動誓約」に署名いたしました。当社グループは、自然災害の被害を最小限に抑えるため、気候変動による災害に備える保険商品や、防災・減災のリスクマネジメントサービスを引き続き提供していきます。

また、グローバルな保険・金融サービス事業を営む企業として、ステークホルダーとの対話にも一層注力していきます。事業活動のグローバル化に伴い、人権への取り組みとして、事業活動において人権を脅かすリスクの特定、当該リスクへの対応を進めていきます。

こうしたCSR取り組みの体制整備に向けて、2016年度より三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保のCSR機能を持株会社のCSR推進室に集約し、強化いたしました。CSR推進室がグループ一体となったCSR活動を推進するとともに、グループ国内保険会社のCSR活動を支援しております。今後も、あらゆるステークホルダーとのコミュニケーションによって課題を認識し、社会のレジリエンス強化に貢献してまいります。

MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社

執行役員 総合企画部長 遠藤 隆興

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