リスク管理
保険事業のリスク
保険事業にかかるリスクにはさまざまなものがあります。
保険金や給付金のお支払いといった事業の中心的な役割に関して発生する保険引受リスクおよび資産運用リスクは、収益とのバランスをとりながら管理すべきものです。一方、事務の誤りやシステム障害などに起因するオペレーショナルリスクは、その発生や損失をできるだけ抑制することが望ましいリスクです。
MS&ADインシュアランス グループでは、これらのリスクに的確に対応し、グループの経営ビジョンの実現に向け、リスク管理をグループ経営の最重要課題と位置づけ、取組みを行っています。
1.保険引受リスク
保険事故の発生率や事故・災害の規模が予測を超えて変動することにより保険収支が悪化するリスク。
2.資産運用リスク
金利、株価、為替、不動産価格・賃貸料等の変動や投融資先の財務状況等の悪化によって、保有する資産(オフバランス資産を含む)の価値や収入が減少するリスク。また、負債特性(保険金の支払い)に応じた資産を確保できないことによるリスクも含まれています。
3.オペレーショナルリスク
事務処理、情報システム運営、個人情報保護、会社運営や取引上の法務、その他事故や災害等にかかるリスク。
- ・流動性リスク
日常の資金不足の発生を防ぎ、大地震等における巨額の保険金・返戻金等の資金を円滑に調達できる態勢を整えます。 - ・事務リスク
あらゆる業務において事務処理上のミスや事故・不正等が発生する可能性があることを認識し、これらの発生を防ぎ、適切に事務を遂行します。 - ・情報資産リスク
情報および情報を処理・管理するシステムについて、機密性(アクセスを許されていない者から守ること)、完全性(正しい状態で保持すること)、可用性(いつでも利用できるよう保持すること)を確保し、適切に業務を遂行します。 - ・法務リスク
業務執行において不測の法律上の責任を負うことのないよう、法務チェックの態勢を整備します。 - ・事故・災害リスク
役職員の生命・身体や会社資産に損失を被るような災害や事故、犯罪に対する未然防止と発生時の的確な対応を行います。
リスク管理基本方針
MS&ADインシュアランス グループでは、グループに共通の「MS&ADインシュアランス グループ リスク管理基本方針」を制定し、グループ内で共有された基本的な考え方のもとでリスク管理を実行しています。
「MS&ADインシュアランス グループ リスク管理基本方針」には、リスク管理の基本プロセスと体制、保険グループとして認識すべきリスクの定義や管理の考え方等について定めています。
グループ国内保険会社では、この基本方針に沿って各社の実態に合わせた「リスク管理方針」を制定し、主体的にリスク管理を行っています。
リスク管理体制
グループ国内保険会社は、各社それぞれのリスク管理を実行します。当社は、グループ全体のリスクおよび各社のリスク管理の状況をモニタリングし、グループ全体の統合リスク管理を実施しています。
リスク管理にあたっては、当社リスク管理部が、グループ国内保険会社からリスクおよびリスク管理の状況に関する報告を定期的に受け取り、報告内容を分析した後、重要事項についてはリスク・コンプライアンス委員会の協議を踏まえて取締役会に報告を行う体制としています。

統合リスク管理
当社では、グループ国内保険会社からのリスクおよびリスク管理の状況報告に基づき、リスク計量化による定量的アプローチと計量化が困難なリスクを質的に評価する定性的アプローチを行い、当社が直面するさまざまなリスクを管理しています。
- ・定量的アプローチ
保険引受リスク、資産運用リスクおよびオペレーショナルリスクの各リスク量を確率論的手法(VaR)(注)により計量化の上、保有リスクの水準がグループの体力(資本)に見合ったものになっているかを定期的に確認しています。
また、グループ国内保険会社の保有リスクが、各社ごとに設定したリスクリミットを超えていないかをモニタリングし、各社におけるリスクの動向を注視しています。
なお、リスクの計量化にあたっては、大規模な自然災害や金融市場の混乱など例外的ではあるが、蓋然性のある事象が発生した場合に起こりうる損失の可能性についての検証(ストレス・テスト)を定期的に行っています。
(注)VaR:バリュー・アット・リスク=一定の確率の下で被る可能性のある予想最大損失額 - ・定性的アプローチ
保険引受リスク、資産運用リスク、オペレーショナルリスクについてグループ国内保険会社のリスクの管理状況や管理体制の整備状況を確認し、評価を行っています。
また、グループ内におけるリスクの伝播、偏在、集中によりグループ全体の健全性に影響を与えることのないように、投融資額の集積状況の管理やグループ会社間における取引状況等をモニタリングしています。
危機管理体制
リスクが発現し、グループ内にその影響が波及することが予想される場合に備えて、グループ各社は、危機発生時の対応策を定めた危機管理マニュアルや事業継続計画を策定し、訓練の実施による実効性の確保に努めています。当社では、グループ各社におけるこれらの整備を推進し、その状況を確認することとしています。

