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1.損害保険業界

市場概況

国内の損害保険業界の市場規模は8兆円弱に

国内の損害保険業界の市場規模を表す正味収入保険料は、2014年度において、8兆831億円でした。(日本損害保険協会加盟26社の合計)
正味収入保険料は、2006年度の7兆5,372億円をピークに2010年度までは減少しましたが、2011年度以降、4年連続で増加しており、市場規模は徐々に拡大傾向にあります。
収入保険料の約5割を占める自動車保険が保険料率の改定や新等級制度の導入などで増収基調にあります。加えて火災保険も料率改定などで増収となっています。新種保険も建設工事、動産総合、機械、賠償責任関連の保険が伸びています。新たな産業の創出に伴って、リスクが生まれ、保険ニーズが高まっていると考えられます。

正味収入保険料の推移

自動車関連の保険が6割強を占める

保険種目別で大きなシェアを占めるのが自動車関連の保険です。
自動車保険(48.0%)と自賠責保険(12.6%)を合わせると、全体の約6割を占めており、これらは国内の自動車の保有台数や新車販売台数に大きく左右されます。
続いてボリュームが大きいのが火災保険(15.3%)で、住宅着工件数や企業の設備投資の動向が影響します。
以下、賠償責任保険等の新種保険(12.1%)、傷害保険(8.7%)、海上・運送保険(3.3%)と続いています。

正味収入保険料の保険種目別構成比(2014年度)

3メガ損保グループで9割以上のシェア

日本における損害保険会社の数は保険業法が改正される1996年時点で27社(外資系を除く)ありました。その後、保険料率や商品等の自由化の進展に伴い、事業運営の効率化などを狙いとした経営統合や合併の動きが活発化し、現在は3メガ損保グループ(MS&ADグループ、東京海上グループ、損保ジャパン日本興亜グループ)で日本における損保市場の収入保険料の9割以上を占める寡占化市場となっています。

※2016年10月1日から、SOMPOホールディングスに商号変更

販売の主体は損害保険代理店

商品の大半は代理店を通じて販売されており、代理店による取扱いは保険料ベースで全体の約9割を占めています。
代理店は全国に約20.5万店(2014年度末現在)存在し、保険商品の販売を本業とする「専業代理店(プロ代理店)」が約3.8万店、残りの約16.7万店は自動車関連業(自動車ディーラーや自動車整備工場など)、不動産業、旅行業や金融業(銀行など)を本業とする「兼業代理店」となっています。
消費者のさまざまな消費行動に併せて損害保険を提供できるように、販売ネットワークが築かれています。

代理店実在数の推移とチャネル別構成比

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保険の種類とその移り変わり

個人・企業を取り巻くさまざまなリスクへの備え

私たちの日常をさまざまなリスクが取り巻いています。交通事故、火事、台風や地震などの自然災害など、その発生によって物に損害が生じたり、人が傷ついたりすることがあります。企業活動を取り巻くリスクも多様化しています。
損害保険はこうした偶然な事故の発生により被った経済的な損害や人的な損失(ケガの治療に要した費用など)を補償する保険です。生命保険の保障額は契約時にあらかじめ決められているのに対して、損害保険では実際に発生する可能性がある損害額を目安に保険金額(補償額)が決定され、事故の際には実損額(実際の損害額)を支払うことが一般的です。
損害保険の種類(種目といいます)で一番身近な保険は自動車保険です。(損害保険会社が受け取る収入保険料全体の約半分を占めています)。
このほか、火災保険や自賠責保険、新種保険、傷害保険、海上・運送保険など、保険を付ける対象物やリスクの種類に応じて様々な損害保険種目があります。

時代とともに変わりゆく損害保険商品

損害保険会社の社名に「火災」や「海上」などの単語が入っているように、多くの損害保険会社は火災保険会社か海上保険会社として発足しています。実際に、1960年代頃までは火災保険と海上保険が中心的な保険種目でした。その後のモータリゼーションの進展で自動車の保有台数が増えると、自動車保険や自賠責保険など自動車関連の保険が主力商品となってきました。

元受正味保険料の種目別構成比

加入者が増加傾向にある地震保険

損害保険種目の中でも、近年、加入者が増加傾向にあるのが地震保険です。
地震保険は1964年に発生した新潟地震を契機として、1966年に「被災者の生活の安定に寄与することを目的に」誕生しました。地震保険は、制度の発足当時はそれほど普及しませんでしたが、地震災害が発生するたびに徐々に普及が進み、とくに1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災を契機に広く認知されるようになり、加入が拡大しました。現在では火災保険の契約者に対する地震保険の付帯率は59.3%(2014年度末)となっています。

では地震保険とはどのような保険でしょうか。まず知っておかなくてはいけないことは、地震による建物の火災や損壊などは火災保険単独では補償されないことです。地震の発生による被害予測が困難だからです。
これらの損害に備えるために、政府と損害保険会社が「地震保険に関する法律」に基づいて共同で運営しているのが地震保険です。公共性の高い保険のため、地震保険の補償内容や保険料は、保険会社間で差違はありません。

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額に対して30~50%の範囲内で設定します。ただし建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度額となります。そして、保険金は損害の程度に応じて「全損(保険金額の100%)」「半損(保険金額の50%)」「一部損(保険金額の5%)」が支払われます。

地震保険の付帯率推移

また、「リスクあるところに保険ニーズあり」と言われるように、人の生死以外のさまざまなリスクをカバーすることが損害保険会社の重要な役割です。
そのため新しい産業が創出されたり、企業が新規ビジネスに参入する際に発生する可能性があるリスクに対応した損保商品・サービスを開発して提供する必要性があります。
たとえば、日本政府が掲げた成長戦略「日本再興戦略 改訂2015」には、日本の未来の成長を切り開くための、いくつかの提言が示されています。ここでは、「未来社会の絵姿」として、AI・ロボットの導入、ビッグデータ解析を活用した予防医療、自動走行システムによる高齢者の移動手段確保など、今後の成長エンジンとなる産業や取り組みが挙げられています。
このほかにも、インバウンド(訪日外国人客)の増加による観光立国への進化や、再生可能エネルギーの普及・活用など、国内の構造変化は新たな保険を生み出す源となります。
賠償責任リスクや火災リスク、製造物責任にかかわるリスクがあれば、そこは損害保険の出番です。損保商品は日本経済の成長を後押しする重要な役割を担っていると言えます。

中でも特に注目されるのが、自動運転技術の進化です。自動運転者が普及する過程では、これまでにない自動車走行上のリスクが出てくることが予想されます。たとえば、運転者に責任がなく、自動車メーカーが責任を負うケースなどです。こうした場合には、生産物賠償責任保険(PL保険)などが今まで以上に必要とされるでしょう。自動運転車だけでなく、たとえばドローンのような、新しいタイプのロボット機器などの普及に向けても、取り巻くリスクに対応した損害保険商品が必ず必要になっています。

※本コンテンツは、保険産業や当社事業内容・経営戦略等をよりご理解いただくための補助資料として作成しています。
正確かつ公正な情報を掲載するよう努めておりますが、その内容を保証するものではありません。

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